真夏の歩こう会 ~東京湾唯一の自然島「猿島」を歩く~
7月9日(日)、一度雨で流れて二度目に設定された歩こう会だが、不安定な天気が続く中、予報もかんばしくはなかった。午後は雨マークになっている。
とにかく朝は晴れだ。この晴れ間が少しでも長く続きますようにと祈る気持ちで家を出る。
JR町田駅に7時半集合、参加者は12名である。横浜駅乗り換えで横須賀中央駅へ。
駅から三笠公園まで徒歩15分。日露戦争で活躍した戦艦三笠に乗船見学となる。
東郷平八郎率いる連合艦隊がバルチック艦隊を迎え撃ち、日本を歴史的勝利に導いたとい史実は広く知られるところだが、その「戦艦三笠」に乗船し内部をつぶさに観察できたのは貴重な経験であった。今年で海戦117周年になるとのことだが、主砲塔の模型や発射台をみるにつけ、戦争のリアルとウクライナへの思いを禁じ得なかった。
「三笠」は記念艦として、つまり世界海事遺産として横須賀の地に存在するわけだが、勝利の象徴としてだけでなく、歴史的な意味や戦争の爪痕の視点も忘れてはなるまい。
三笠下船後は、フェリーで猿島へ。
「猿島」といえば、今回の歩こう会まで私は「猿島」を知らなかった。無知と言ってしまえばそれまでだが、こんなに近い場所に太平洋戦争の要塞があったことに驚いている。
猿島は無人島であるが、かつては東京湾を守る要として砲台と弾薬庫のある「要塞の島」だったのだ。兵舎、砲台、そして長いトンネル。なかでも「フランス積み」という方式で積み上げられたレンガの建造物は、日本に数か所しか存在しない貴重なものだという。島内には蒸気機関による発電所もあり、ここでつくられた電気は建物の裏から切通しを伝って島の中央部高台にある照明所に送られていたという。明治28年完成とか。
第二次世界大戦後は、1996年まで日本を占領して横須賀港を利用したアメリカに接収されたが、1995年横須賀市が大蔵省(現財務省)から管理を受託、散策路などを整備し航路を復活させた。また、2003年には国から横須賀市への猿島無償譲与がなされ、「猿島公園」として整備されたものである。
猿島を散策中終盤になって小雨に見舞われたが、大方のコース終了間際であり、問題なし。あとは空腹を抱えて待望の食事処へ一目散!
大いに食べ、飲んで盛り上がったことはいうまでもない。「歩こう会」は実に有意義で愉快な会なのです。
齋藤 節子記

「三笠」「東郷連合艦隊司令長官」と記念写真

三笠 司令塔より30センチ前部主砲、前甲板、横須賀港をのぞむ

猿島 日本で最も古いレンガ造りのトンネルの前で記念写真

猿島 フランス積みレンガ造りの旧要塞跡を歩く